ゼロからわかるビッグバン

ビッグバンが起きたばかりの宇宙はどんな世界だったの?

Tags: ビッグバン, 宇宙論, 初期宇宙, 宇宙の始まり

はじめに

私たちの住むこの広大な宇宙は、およそ138億年前に「ビッグバン」と呼ばれる大爆発のような出来事で始まったと考えられています。

では、そのビッグバンが起きた、ごくごく最初の頃の宇宙は、一体どんな様子だったのでしょうか。想像もつかないような、不思議な世界だったはずです。今回は、生まれたばかりの宇宙がどのような状態だったのかを、一緒に見ていきましょう。

想像を絶する「超高温・超密度の世界」

ビッグバンが起きた直後、宇宙は今からは考えられないような状態でした。それは、とてつもなく熱く、そしてとてつもなくぎゅうぎゅうに詰まった(高密度な)世界だったのです。

例えるなら、小さな小さな点の中に、今の宇宙にあるすべてのものが押し込められていて、しかもそれが想像を絶する高温になっていた、というイメージです。まるで、すべてが溶け合った、どろどろのエネルギーの塊のようだったと言われています。

時間がたつにつれて、宇宙は冷えて広がっていった

その熱くて詰まった宇宙が、ビッグバンによって急激に膨張(膨らむこと)を始めました。膨張すると、空間が広がります。すると、熱が分散されるので、宇宙の温度は少しずつ下がっていきました。

これは、熱いお鍋のフタを開けて、湯気が広がっていくと、だんだん温度が下がっていくのと似ています。宇宙も、膨らむにつれて冷えていったのです。

小さな「ものの素(もと)」が生まれた

宇宙が少し冷えてくると、それまでエネルギーの塊だったものから、小さな「ものの素(もと)」、専門的には「素粒子(そりゅうし)」と呼ばれるものが生まれてきました。

私たちの身の回りにある、机も、コップも、私たちの体も、突き詰めていくと、これらの素粒子からできています。宇宙が生まれて最初の頃に、ものの基本的な「かけら」のようなものがたくさん生まれた、と考えると分かりやすいかもしれません。

この頃の宇宙は、熱々のスープの中に、たくさんの素粒子がごちゃ混ぜになって漂っているような状態だったと考えられています。

まとめ

ビッグバンが起きたばかりの頃の宇宙は、今の広々として冷たい宇宙とは全く違い、想像もつかないほど熱く、ぎゅうぎゅうに詰まった世界でした。

そして、宇宙が膨張して冷えていくにつれて、私たちの身の回りにあるすべてのものを形作る、元となる小さな粒(素粒子)が生まれてきたのです。

このように、宇宙はただ始まっただけでなく、始まった直後からダイナミックに変化し、今の宇宙につながる最初のステップを踏み出したのでした。