ゼロからわかるビッグバン

宇宙は昔、小さくて熱かった? ~ビッグバン理論の始まりの姿~

Tags: ビッグバン理論, 宇宙の始まり, 宇宙論, 宇宙の歴史, 宇宙の膨張

はじめに:ビッグバン理論の基本のキホンを知りましょう

このウェブサイトをご覧になっているということは、おそらく「ビッグバン理論」という言葉を聞いたことがあるけれど、それが一体どんな考え方なのか、よく分からない…という方が多いのではないでしょうか。

難しそうなイメージがあるかもしれませんが、まずは構えずにお付き合いいただければ嬉しいです。ビッグバン理論の基礎の基礎から、丁寧にお話ししていきます。

ビッグバン理論の一番大切な考え方

ビッグバン理論が教えてくれることの中で、最も基本的な考え方。それは、

「私たちの住むこの広大な宇宙は、ずっと昔、とても小さくて、ものすごく熱い状態だった」

ということです。

これだけ聞くと、「え? 今こんなに広いのに?」「どうしてそんなに熱かったの?」と不思議に思われるかもしれませんね。

ビッグバン理論は、この「小さくて熱い始まり」の状態から、宇宙がどのように変化して今の姿になったのかを説明しようとする考え方なのです。

「小さかった」ってどういうこと?

今、私たちの宇宙は、想像もできないほど広がりを持っています。星がたくさん集まった「銀河」が無数にあり、その銀河同士も遠く離れています。

でも、ビッグバン理論によると、宇宙が始まったばかりの頃は、この広大な宇宙の物質やエネルギーが、ほんの小さな範囲に、ぎゅっと詰まっていたと考えられています。

例えるなら、今の宇宙を大きなキャンバスいっぱいに描かれた絵だとすると、その絵が始まった頃は、まだキャンバスの中の点のように小さかった、というイメージでしょうか。

「熱かった」ってどういうこと?

小さくぎゅっと詰まっていた宇宙は、同時にとてつもなく熱かったと考えられています。その熱さは、私たちが普段経験するどんな熱さとも比べ物になりません。

太陽の中心よりもずっと熱く、物質がバラバラになってしまうほどの高温でした。例えるなら、熱く熱せられた鉄のように、光り輝くほどの高熱だった、というようなイメージです。

小さくて熱い宇宙がどうなったの?

ビッグバン理論では、この「小さくて熱い始まり」の状態から、宇宙はものすごい勢いで膨張(ぼうちょう)し始めたと考えます。膨張というのは、「広がる」ということですね。

そして、宇宙が広がるにつれて、温度はだんだんと下がっていきました。熱いお風呂のお湯が、時間が経つにつれて冷めていくように、宇宙も冷えていったのです。

この膨張と冷却の過程で、宇宙の中には少しずつ様々なものが作られていきました。小さな粒が集まって原子ができたり、原子が集まってガスになったり、ガスが集まって星や銀河ができたりと、今の宇宙の姿が形作られていったと考えられています。

まとめ:ビッグバン理論のイメージを掴んでみましょう

ビッグバン理論の最も基本となる考え方は、難しい数式を知らなくてもイメージすることができます。

それは、「私たちの宇宙は、ずっと昔は小さくて熱い始まりの状態にあり、そこから膨らんで冷えて、今の姿になった」ということです。

まるで、小さな種が芽を出し、育って大きな木になるように、宇宙も始まりから少しずつ成長してきた、と考えることができるでしょう。

この一番大切なイメージだけでも、ビッグバン理論への第一歩として心に留めていただけると嬉しいです。