ゼロからわかるビッグバン

ビッグバン理論で知る!宇宙の3つの大切なこと

Tags: ビッグバン, 宇宙論, 宇宙の始まり, 宇宙の膨張, 宇宙マイクロ波背景放射

ビッグバン理論という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 宇宙の始まりについて考える上で、最も有力だとされている考え方です。

なんだか難しそう...と感じるかもしれませんが、ご安心ください。 ビッグバン理論は、私たちの宇宙がどのような姿をしているのか、そしてどのように今の状態になったのかについて、いくつかの大切なことを教えてくれます。 このページでは、その中でも特に重要な3つのポイントを、分かりやすくお話ししたいと思います。

宇宙は今も広がり続けている

ビッグバン理論が教えてくれることの一つ目は、「宇宙は今も広がり続けている」ということです。

遠くにある星や銀河を観測すると、私たちの地球から遠ざかっていくように見えます。そして、遠くにあるものほど、より速く遠ざかっていることが分かっています。

これは、星や銀河が自分で動いているというよりも、宇宙全体がまるで風船のように膨らんでいて、その空間が広がっている、と考えるとイメージしやすいでしょう。風船の表面に小さな点を描いて、風船を膨らませると、点と点の間隔がどんどん広がっていきますね。宇宙も同じように、空間そのものが広がっているのです。

この「宇宙が広がっている」という発見は、ビッグバン理論が生まれる大きなきっかけの一つとなりました。

昔の宇宙はとても小さく熱かった

宇宙が今も広がり続けているということは、時間を巻き戻して考えてみると、昔の宇宙は今よりもっと小さかった、ということになります。そして、どんどん昔にさかのぼっていくと、宇宙のすべてのものが、ぎゅっと一箇所に集まっているような、非常に小さく、そしてものすごく熱く、密度が高い状態だったと考えられます。

例えるなら、冷えて大きくなったお餅を、焼く前の、小さくて固い状態に戻していくようなイメージでしょうか。 ビッグバン理論では、宇宙はこのように小さく熱い状態から始まり、急激に膨張を始めた、と考えられています。

この「昔は小さく熱い状態だった」という考え方も、ビッグバン理論の基本的な柱の一つです。

宇宙には「残り火」のような光がある

ビッグバン理論が正しいことを強く裏付けている重要な証拠があります。それは、「宇宙マイクロ波背景放射」と呼ばれる光です。

これは、宇宙のあらゆる方向から、非常に均一にやってくる微弱な光です。まるで、宇宙が生まれた頃の「残り火」のようなもの、あるいは、宇宙の「赤ちゃんの頃の写真」のようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。

昔の宇宙は非常に熱かった、というお話をしました。その熱い時代には、光が自由に飛び回ることができませんでした。しかし、宇宙が膨張して温度が下がり、ある時点から光がまっすぐ進めるようになったのです。この時解き放たれた光が、長い時間をかけて宇宙を旅し、今私たちのもとに届いているのが、宇宙マイクロ波背景放射なのです。

この光の発見は、ビッグバン理論が単なる想像ではなく、確かな証拠に基づいた考え方であることを示しました。

まとめ

ビッグバン理論は、私たちの宇宙について、主に次の3つの大切なことを教えてくれます。

  1. 宇宙は今も広がり続けている
  2. 昔の宇宙は、小さく、非常に熱く密度の高い状態だった
  3. 宇宙には、昔の熱い時代の名残である「残り火」のような光(宇宙マイクロ波背景放射)がある

これらの事実は、私たちの住む宇宙が、かつて非常に高温で密度の高い状態から始まり、膨張を続けて今の姿になったという、ビッグバン理論の考えを強く支持しています。

ビッグバン理論は、まだ全てが解明されたわけではありませんが、私たちが宇宙の成り立ちや歴史を理解する上で、最も重要な考え方の一つとなっています。

このお話を通じて、ビッグバン理論の入り口に少しでも触れていただけたなら幸いです。