ゼロからわかるビッグバン

ビッグバン後、私たちの宇宙はどう広がり続けているの?

Tags: ビッグバン, 宇宙, 膨張, 広がり, 始まり

宇宙の始まり、そして広がりのお話

私たちの住む広大な宇宙が、どのようにして今のような姿になったのか。その鍵を握る考え方が、「ビッグバン理論」です。

ビッグバン理論とは、今からおよそ138億年前に、宇宙は非常に小さく、熱く、密度の高い一点から急激に膨張(膨らむこと)して始まった、という説です。

この「膨張」という言葉が、今日の主題です。ビッグバンは「大爆発」というイメージで捉えられがちですが、実際には空間そのものが膨らみ始めた、と考えられています。

宇宙は「空間そのもの」が膨らむ?

「宇宙が広がる」と聞くと、何か中心があって、そこから星や銀河が遠ざかっていく様子を想像するかもしれません。しかし、ビッグバン理論が示す「膨張」は、少し違います。

例えるなら、風船の表面に小さな点をいくつか描いてみてください。そして、その風船を膨らませてみましょう。どうなるでしょうか?

風船の表面にある点と点の間の距離は、風船が大きくなるにつれて、それぞれがお互いから遠ざかっていくのが分かりますね。このとき、点そのものが動いているというよりは、風船の表面という「空間」が広がっているからこそ、点の間の距離が離れていくのです。

私たちの宇宙の膨張も、これによく似ています。宇宙にある銀河などの天体そのものが、何か外に向かって勢いよく飛んでいるのではなく、天体がある「宇宙空間そのもの」が伸びたり広がったりしている、とイメージすると分かりやすいかもしれません。だから、どの場所から見ても、遠くにある銀河は私たちから遠ざかっているように見えるのです。

今も広がり続けている宇宙

そして驚くべきことに、私たちの宇宙は、ビッグバンが始まったその瞬間から、そして今この時も、広がり続けていると考えられています。遠くにある銀河ほど、私たちからより速いスピードで遠ざかっていることも観測から分かっています。

ただし、私たちが住んでいる銀河の中や、私たちとすぐ隣にある銀河の間などは、重力(引き合う力)の働きによって、空間の膨張に逆らってまとまっています。風船の比喩で言えば、点そのものが少しだけ固まっていて、表面の膨張にも関わらず互いに近くにいようとしているようなイメージです。しかし、もっと遠く離れた銀河同士では、空間の膨張の方が勝るため、互いに遠ざかっていきます。

まとめ:宇宙の広がりとは

ビッグバン理論によれば、私たちの宇宙は、ある一点から「宇宙空間そのもの」が急激に膨張して始まりました。そして、その膨張は今も続いており、遠くにある天体ほど私たちから速く遠ざかっているように見えます。

これは、天体が動いているというよりは、天体の間の「空間」が伸びているためです。まるで風船の表面が膨らむように、宇宙全体が広がり続けているのです。

この宇宙の広がりこそが、ビッグバン理論を考える上で非常に重要なことの一つです。宇宙がどのように生まれ、今のような姿になったのかを理解する大きな手がかりとなるのです。