ビッグバン理論でたどる宇宙のあゆみ
宇宙の始まりから「今」までのお話
この宇宙は、およそ138億年前に「ビッグバン」という出来事で始まったと考えられています。ビッグバン理論を学ぶことは、まるで壮大な宇宙の歴史をたどる旅に出るようなものです。
宇宙がどのように生まれ、どのようにして今の姿になったのか、時間の流れに沿って見ていきましょう。
誕生直後の宇宙は、とてつもなく熱かった
ビッグバンが起きた直後、宇宙は信じられないほど熱く、ぎゅっと詰まった状態でした。例えるなら、想像できるどんなものよりも小さく、そしてどんな炎よりも熱い世界です。
光や、物質のもとになる小さな粒(素粒子)が、ものすごいスピードで飛び交っていましたが、あまりにも高温でぎゅうぎゅう詰めだったため、安定した形をとることができませんでした。
宇宙はどんどん広がり、冷えていった
時間とともに、宇宙はどんどん広がり始めました。広い空間ができると、中のものが散らばり、温度が下がっていきます。風船を膨らませると、表面が薄く引き延ばされるように、宇宙全体が引き延ばされていったイメージです。
宇宙が冷えていくにつれて、それまでバラバラだった小さな粒(素粒子)が集まり、少しずつ安定した「原子」のもと(原子核や電子)ができるようになりました。
光が自由に飛び回れるようになった時代(宇宙の晴れ上がり)
さらに宇宙が冷えると、ある大きな変化が訪れます。それまでは光が小さな粒(素粒子)にぶつかってまっすぐ進めなかったのですが、物質が原子としてまとまることで、光がどこにもぶつからずに自由に飛び回れるようになったのです。この出来事を「宇宙の晴れ上がり」と呼びます。
この時飛び出した光は、宇宙をずっと旅し続け、今でも私たちのところに届いています。これが「宇宙マイクロ波背景放射(ビッグバンの“残り火”のような光)」と呼ばれるもので、ビッグバン理論を裏付ける大切な証拠の一つです。
星や銀河が生まれた時代
光が自由に動き回れるようになった後も、宇宙は広がり続け、さらに温度は下がりました。すると、ガスの濃い部分と薄い部分ができ始めました。濃い部分では、ガスが重力でさらに集まり、やがて最初の星が生まれます。
たくさんの星が集まって「銀河」ができ、さらに銀河が集まって大きな集団を作っていきました。これが、夜空に見える無数の星や銀河の始まりです。
そして、今の宇宙へ
最初の星や銀河が生まれてからも、宇宙は広がり続け、たくさんの星が生まれ、銀河が形を変えながら、私たちの天の川銀河や、その周りの宇宙ができあがっていきました。
およそ138億年という長い、長い時間をかけて、私たちの宇宙は今の姿になったのです。
まとめ:宇宙のあゆみを知るということ
ビッグバン theory をたどる旅は、宇宙が誕生からどのように変化し、今のような星や銀河に満ちた世界になったのかを知る旅です。最初は想像もできないほど熱く、詰まった世界だった宇宙が、広がり、冷え、光が放たれ、そして物質が集まって星や銀河を作る。
この壮大な宇宙の歴史を知ることで、今私たちが見上げている夜空が、どれほど長い時間をかけて作られてきたものなのかを感じていただけたら嬉しいです。